どれも似ていて選べない!ヨーロッパのパッケージツアーの絞り込み方

ヨーロッパ方面のパッケージツアー(パックツアー)を選ぼうとすると、似たようなツアーがずらりと並んでいて、最初は見分けがつきません。たとえばイタリアに行くツアーを検索すると、ローマとフィレンツェとヴェネツィアがどれにも入っています。日数や値段も似ていて、こんなにある中からどうやって決めるの?と戸惑ってしまう人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、特に数が多いイタリアのツアーを例に、私がパッケージツアーを実際にどう絞り込んでいくかを順番にご紹介します。私の選択基準と好みが合致しない方はご自身でアレンジしつつ、パッケージ選びのヒントにしてください。

まず予算を決めて直行便に絞る

予算の上限を決めたら、その中から直行便のツアーだけを残します。乗り継ぎ便のものは、この時点で全部外します。直行便に絞るだけで、ツアーの候補ががくんと減ります。

ただ、直行便に比べると乗り継ぎ便のツアーは安い傾向です。予算内では乗り継ぎ便のツアーしかないという場合は、膨大な数のツアーから選択する作業になってしまいますが、次のセクションからの内容を参考にして絞り込みを進めてみてください。

直行便は旅先での時間が長くなる

私がなぜ直行便を選ぶか。大きな理由は時間です。旅行の費用は、旅先での時間を買うためのものだというのが私の考え。乗り継ぎがあると、半日近く消えます。日本からの直行便が出ている都市に行くのに、わざわざどこかを経由するのはもったいないと思っています。

乗り継ぎのツアーで行ったこともあります。実は日本イタリア間の直行便がなかった時期もあるのです。そこで、私が過去に参加した直行便のイタリアツアーと乗り継ぎ便のイタリアツアー、両方の旅程表を見比べてみました。1日目の現地到着はどちらも夕方から夜で、旅程表の上では同じように見えます。でも日本を発つ時刻が違っていて、直行便は13時50分発、乗り継ぎのほうは10時台から11時台の出発でした。3時間早い分、当日の朝が削られます。到着も、直行便が18時30分なのに対して乗り継ぎは19時半から23時50分と幅がありました。使う航空会社が確定していないツアーだったからです。

もっと差が大きいのは帰りです。どちらも8日間のツアーなのに、直行便は7日目の夜まで自由時間があって夜の便に乗るのに対して、乗り継ぎのツアーは7日目の朝から空港へ向かいました。同じ8日間でも、現地で過ごせる時間がまるまる1日違います。

直行便はロストバゲージの確率が減る

乗り継ぎが好きではない理由は他にもあって、ロストバゲージ(荷物の紛失)を極力避けたいからです。荷物は乗り継ぐたびに積み替えられるので、直行便ならロストバゲージの心配が減ります。

乗り継ぎ便がおすすめなときもある

予算以外の理由で乗り継ぎをおすすめしたい場合もあります。まず、どの国や都市で乗り継ぐかがわかっていて、空港内だけでも短時間でもいいから足を踏み入れたい!滞在したい!と熱望する方です。

次に、どうしても買いたいと思っている入手困難な品物があり、立ち寄る空港を増やすことで入手の確率が増えるときです。

そして、乗り継ぐ便の航空会社のマイレージを貯めるのを優先したいときです。

絶対に行きたい都市を優先する

イタリアのツアーはたいてい、ローマ・フィレンツェ・ヴェネツィア・ミラノの4つの都市をまわるか、そのうちのいくつかをまわるかのどちらかです。違いを感じる主な要素は、小さな町や村も行き先に入っているかどうかです。

私はイタリアに何度か行っていて、上の4都市は初回で巡りました。どこも見どころが多く、都市ごとに違う魅力を楽しめて、とてもよかったと満足しています。シエナやヴェローナ、ナポリやコモ湖などにも訪れたので、次に行くなら未踏のアマルフィが入っているツアーを選びたいです。

初めてイタリアに行く方なら、ローマ・フィレンツェ・ヴェネツィア・ミラノの4都市が入ったツアーがおすすめです。ほとんどのツアーにこの4都市の名前が並んでいるのに、たとえば、ヴェネツィアだけ行かなかったら「ゴンドラ乗りたかった」と思いそうだし、ローマに行かなかったら「スペイン広場の階段に座りたかった」と悔やみそうですよね。

大切なのは、ここだけは絶対に譲れないという場所があるかどうかです。「青の洞窟が長年の夢」「ポンペイ遺跡が絶対に見たい」などの強い希望があるなら、その場所が旅程に入っているかを最優先にしてください。二人で参加するなら、それぞれの譲れない場所を満たすツアーを探すことになります。

なお、青の洞窟は天候によっては入れないので、確度をあげたいなら、カプリ島に泊まるツアーや入場チャンスが2回以上と謳われているツアーがおすすめです。私が青の洞窟に行ったときは波の状態が悪く、入れませんでした。

自由行動の日数は値段と並べて見る

次に見るのは、自由行動の日が何日あるかです。

私は自由行動がまったくないツアーは選びません。全行程ががっちがちに決められていると、その街で自分が見たいものを見る余地がなくなります。スケジュールが決められたパッケージツアーはありがたいしラクだけど、少しは自由行動の時間も欲しいのです。

でも、自由行動の設定が多ければいいというものでもありません。極端なたとえになりますが、8日間のツアーで自由行動が5日もあれば、それはもう添乗員付きツアーとは呼べない気がします。多くても2日くらい、半日と半日と1日を足して2日分くらいが私にはちょうどいいと思います。

忘れてはならないのが、自由行動の日は、旅行会社の側の手間(コスト)が減っているということです。つまり、バスもガイドも食事も手配されていません。その分、移動費や食費は参加者の持ち出しです。計画を立てたり調べたりする労力も要ります。似たツアーを並べてみて、総額だけで比べるのではなく、こっちのツアーが安いのは自由行動が多いからだなどの視点でもチェックしてみてください。

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ホテルはランクより立地をチェック

ツアーの日程表には、どういうホテルに泊まるかといった情報も書かれています。冷静な目で確認しましょう。

スーペリアクラスの意味

先日見たツアーには「弊社指定(当社基準)スーペリアクラスホテルに確約」と書いてありました。この一行を読むと、いいホテルに泊まれそうです。でもよく見ると、2つのことが分かります。

まず、その等級を決めているのが旅行会社だということです。当社基準という断り書きがありました。五つ星や四つ星なら明記すると思うのです。そう考えると、スーペリアクラスというのは快適な三つ星あたりを指していて、価格や空室状況によっては四つ星になることもあるくらいなのだろうと私なら想像します。

そして、肝心のことが書かれていません。そのホテルがどこにあるのかです。

自由行動の日に重要なのは立地

スーペリアクラスだ!わーい!とよろこぶのは待ってください。自由行動がある日のホテルが、たとえスーペリアクラスでも中心部から離れた郊外にあったらどうでしょう。お買物スポットには電車やタクシーで出かけ、荷物が増えてもホテルに戻りにくく、夜もなんとなく心配で早くホテルに戻らなければと思うかもしれません。

中心地にホテルがあれば、何度もホテルに戻れるし、交通費も要らず、移動に時間もかからない。夕食もたくさんのレストランから選べます。

泊まる可能性のあるホテルは旅行会社のサイトやパンフレットにリストアップされているので、クラス感の想像はできます。でも、自由行動の日のホテルの地区が明記されていなければ、いろんな持ち出しと不便が多い可能性を認識しておきましょう。

寝るだけの日にランクは必要?

いつでも立地が重要なわけではありません。早朝にバスで出発して観光地を巡って夜に戻る日程なら、ホテルは寝るだけの場所です。スーペリアクラスのホテルなら快適に過ごせますが、意地悪な見方をすれば、最低限のホテルでもいいのです。

スーペリアクラスを否定するということではなく、その日の予定によってホテルに求めることが変わることと、そこにツアーのコストが割かれていてもよいのかという視点が大切です。

立地は?きれい?ヨーロッパのお手頃パッケージツアーで泊まるホテルの実例
ヨーロッパのお手頃パッケージツアーで泊まるホテルは3つ星クラスが中心です。外階段しかなかった宿から街の中心の宿まで、実際に泊まった実例と、4つ星や5つ星との違いを写真とともに紹介します。

追加料金で立地が変わるツアーも

試しに何社かのパッケージツアーを見比べてみたときに、おもしろいことに気づきました。直行便を使うツアーには、ホテルの立地まで書いてありました。直行便は航空券の値段が上がるので、ツアーの価格も高くなる傾向があり、納得して購入してもらうためにホテルの条件も魅力的にしているのだと思います。

反対に、乗り継ぎで値段を下げているプランを見たら、翌日が終日自由行動なのにホテルについて何も書かれていない。そのうえで、別途料金を払えば便利なホテルを用意すると書いてありました。つまり、追加料金を払わなければ、便利な立地には泊まれないと予想がつきます。

このことからわかるのは、最初に直行便で絞ると、そこそこにいい条件のホテルが設定されていることが多そうだということです。逆に、予算の関係上、乗り継ぎ便のツアーから選ぶ場合は、ほかの条件も削られていることが多い。ホテルの条件をしっかり見ておいたほうがよさそうです。

10回以上参加してわかったパッケージツアー選びの落としどころ
パッケージツアーは「手抜き」でも「初心者向け」でもありません。10回以上の参加でヨーロッパを周遊してわかった、周遊の安心感、手配のラクさ、そして「安い」と「激安」の違いを正直に語ります。

それでも迷ったら細かい差をAIで検証

数種類のツアーに絞ってきたら、これまで以上に似たようなツアーが並んでいると思います。知らない街がちょこちょこ書いてあって移動ルートが想像できない。どのツアーがどれくらい快適そうか、時間を有効に使えるのはどれかなど、自分では判断できないし確認するのも面倒という状態になっても不思議ではありません。そんなときはAIに比較を手伝ってもらう方法もあります。「比較して」と単純に依頼すると、ツアーのうたい文句などに引っ張られて勝手におすすめを表示したりするおそれもあるので、次のような指示をもとに比較を手伝ってもらってください。

AIへの指示例

以下の3本のイタリア8日間ツアーで迷っています。それぞれのページを読んで、次の4点について情報を整理して出してください。どれがおすすめかという判断や順位づけはせず、書かれている情報の整理だけをお願いします。

1点目、自由行動の日が何日あって、それぞれ何時から何時までか。
2点目、自由行動の日に泊まるホテルが市街の中心にあるか、それとも郊外か。旅程表に書かれていない場合は「記載なし」と書いてください。ホテル名が特定されている場合は、その所在地区も調べてください。
3点目、バスと列車での都市間移動にかかる合計時間。
4点目、現地に滞在できる実質の時間。1日目の現地到着時刻と、最終日に空港へ向かう時刻から計算してください。

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この指示、かなり使えます。最新のツアーの中から特に似ているものを選んで試しに比較してもらったところ、どれがいい悪いという意味ではなく、同じようなツアーの間での明確な差がくっきり浮かび上がってきました。あとは自分の基準で取捨選択してから決め込んでいくしかありません。

出発日の壁をクリアして確定

このように絞り込みを進め、残っているツアーがかなり少なくなったら、あとは出発日を見ます。

出発日の考え方は2通り

自分の予定だけで決められることは少なくて、一緒に参加する友達や家族の都合も聞かなければなりません。このあたりに有給を取るつもりだからこの日かこの日に出発しないとだめということはよくあります。

ツアーA、ツアーB、ツアーCが候補に残ったとして、出発できる日が限られていたら、ツアーAの中のいくつかの出発日を検討するという手段が使えません。その場合は、許される出発日の中で、ツアーA、ツアーB、ツアーCから希望順に申し込むことになります。出発日を動かせるなら、第一希望のツアーAの複数の出発日を検討します。同じツアーでも出発日によって値段が違うことも多いです。

そして、申し込んだツアーで本当に出発できるかどうかは、また別の話です。このあたりは以下の記事で詳しく述べています。

どうでもいい都合は却下!

友達と一緒に行くときは、お互いの休暇の都合があるので、「3月第一週の月曜日から水曜日のどこかで出発しないとね」とわりと早めにまとまります。ですが、母と一緒に行くときは違います。私があらゆるツアーを調べ上げてから絞り込み、そのツアーがいいと母も言っているのに、本当にどうでもいいことを言いだします。

「その日はごみの日だから」です。

かなりイラッとするのですが、「お母さん、イタリアとごみとどっちが大事?」と聞いて黙らせています。

似たようなヨーロッパツアーが何十本並んでいても、最初から全部を比べる必要はありません。ひとつひとつ条件を重ねて候補を減らしていきましょう。私は直行便が飛んでいる国に行くなら直行便が第一条件なのでそれ以外のツアーは見ないと決めていますが、もし譲れない要素が別にあればそこから絞り込んでみてください。せっかく時間もお金も使って行く旅行です。納得できる旅を選びましょう!

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