パッケージツアーに向いているかをチェック!気になるコミュ力の話も

前回の記事で、パッケージツアー(パックツアー)ならではの価値についてお話ししました。ただ、どのスタイルの旅にもいえることですが、その人の好みや性格によっては「向く・向かない」がはっきり分かれるのも事実です。今回は、10回以上ツアーに参加してきた実感として、正直に「向いていない人」の話から始めてみるので、自分が当てはまるかどうかをチェックしてみてください。そして、パッケージツアー初参加なら気になる人も多いかもしれない、ほかの参加者さんとのコミュニケーションについてもお話します。

10回以上参加してわかったパッケージツアー選びの落としどころ
パッケージツアーは「手抜き」でも「初心者向け」でもありません。10回以上の参加でヨーロッパを周遊してわかった、周遊の安心感、手配のラクさ、そして「安い」と「激安」の違いを正直に語ります。

こんな人には正直おすすめしません

時間を守れない人

時間厳守が窮屈に感じる人。当たり前のようですが、はずせない要素です。パッケージツアーは集合時間がすべての土台になっていて、「今日はふと思い立って、お昼まで寝ていたいな」というような、その日の気分できままに動きたい人には向いていません。集合時間に遅れれば、バス一台分の人を待たせて旅程に大きな影響を与えて迷惑をかけることになりますし、私が参加したツアーではたいてい「その場所が大変お気に召したと解釈して出発させていただきます」と説明されました。

団体行動が苦手な人

前項の「時間を守れない人」にも似ていますが、時間制限に加え、ぞろぞろと団体行動する面倒くささが耐えられない人は無理かもしれません。

実際、私が学生時代から通算3回参加しているあるツアーは、朝早く集合していろいろな場所へ連れ回される、まさに「合宿」のような日程でした。食事やトイレも一人のときのようにささっとは済まず、大なり小なりの待ち時間も発生します。それでも低価格でいろんな都市をまわって見どころをハイライトでまとめて巡れるので、特にヨーロッパが初めてという人には大人気。「あれも行きたい、これも行きたい」という欲張りな旅心を叶えてくれるよいツアーなのですが、それを「効率的」と感じるか「せわしない」と感じるかで、向き不向きがはっきり分かれます。

食へのこだわりが強い人

食べるものに強いこだわりがある人には、正直あまり向いていません。ツアーの食事は、その土地の名物は押さえてくれるものの、必ずしもグルメを満喫できるわけではないからです(このあたりは、また別の記事で詳しくお話しします)。

あの三ツ星レストランに絶対に行きたい!毎食毎食好きなものだけを食べたい!いいレストランじゃないといやだ!といった譲れないポイントがある人は、じっくり考えてみてください。

なお、アレルギー対応食やベジタリアンフード対応は、追加料金が必要なことも多いですが、事前交渉の上で手配してくれる旅行会社もあります。

あまり歩けない人

これは見落とされがちですが、ある程度歩ける人でないとパッケージツアーは向いていません。観光地でバスを降りて見学したあと、バスは同じ場所で待っていてくれるとは限らず、乗車しやすい次の場所へ移動して待っていることがほとんどです。運転手さんの労働時間や交通ルールが関係しているのか、バスの中で待つということも基本的に許されません。つまり、スケジュールで定められた見学スポットは、歩いて回ることが前提になっているのです。

このあたりは旅行会社側も心得ていて、日程ごとに「歩くレベル」を示してくれていたり、「あまり歩かないツアー」と明記しているプランもあります。1日に回れる場所の多さだけを謳っているツアーは、歩行量もその分ハードになりがちなので、高齢のご家族と行く際には目安にするとよいと思います。

以前、フランス北部の周遊ツアーに80代のかなりご高齢の女性が娘さんと参加されていました。モンサンミッシェルを上まで登るのは少し厳しいと判断されたようで、添乗員さんに相談し、登らずに下の方で時間を潰して待っていらっしゃいました。モンサンミッシェルは、上まで登って降りてきたら次に別の集合場所へ行くのではなく、バスを降りたのと同じ駐車場へ戻らねばならないため、こうした対応が可能だったのだと思います。この女性は幸いにも登らずに待つことはできましたが、フランス北部のツアーのメインともいえるモンサンミッシェルを訪れる楽しみは味わえていません。

この事例はあくまでも例外です。起点と着点が同じというケースに加え、添乗員さんの配慮もあって可能になりましたが、基本的にはずっと移動につぐ移動なので、同じ場所で待つのは難しいことのほうが多いです。個人旅行なら「モンサンミッシェルに行かない」という選択や、十分に時間をとってゆっくりゆっくり時間をかけて登るなども可能です。時間どおりに集団行動するパッケージツアーはそれができない前提であることを十分に覚悟しておきましょう。

「これだけは絶対に見たい」がある人

この旅行が生涯に一度で絶対に見ておきたい!見なければ死んでも死にきれない!というほどの場所がピンポイントである人にも、周遊型のパッケージツアーはあまり向いていません。

たとえば「青の洞窟」は1日しか予定されていないことが多く、その日の天候が悪ければもう見られません。「最後の晩餐」も、プランによって見学が含まれているものといないものがあり、安く見えても実は含まれていないということがよくあります。ヴェネチアも高潮(アクアアルタ)で街が水浸しになる時期があり、ゴンドラにどうしても乗りたいという場合、滞在時間の限られた周遊ツアーでは叶わないこともあります。「一生の夢だったから絶対に!」なのか、「今回ダメでも、また次の機会に」と思えるのかは、地味に大事な判断基準です。

お土産もの屋さんが苦痛な人

もう一つ、地味に効いてくるのが、トイレ休憩がお土産屋さんを兼ねていることが多いという点です。個人的には、トイレ休憩とお土産店への立ち寄りがセットになっているのが、ツアーならではだと感じます。ここを「ちょっと覗いてみようかな」と楽しめない人にとっては、正直ストレスになる場面かもしれません。

逆にこんな人には向いています

「向いている人」の条件は、思っているよりハードルが低いと感じています。まず、ここまで挙げてきたような「向いていない人」の項目に当てはまらない人です。一つ一つの体験に強いこだわりがなく、数日間の旅行全体の時間を楽しめればいいという人には最適です。

コミュ力問題をどう考える?

パッケージツアーに対して「参加者の人と知り合ってみんなで和気あいあいと仲よく旅をする」というイメージを持っていませんか?「そういうコミュニケ―ションはちょっと苦手」な人も当然いると思うので、ここでコミュニケーションのことにも触れておきます。どんな雰囲気か想像するのに役立つとうれしいです。

挨拶を交わせる程度で十分

結論からいうと、ある程度のコミュニケーション能力はあった方が楽しめるし、ラクだと思います。挨拶やちょっとした会話を交わしておくと、「ちょっと荷物持っておきましょうか」「これお貸ししましょうか」など、何かあったときにお互い助け合う関係につながることもあります。約1週間、毎朝毎晩バスに乗って食事も共にするメンバーとそのくらいの距離感で付き合っていけるなら、パッケージツアーはきっと快適です。

でも、そもそもコミュニケーションは義務でもありません。深い話をする必要もありません。私の感覚では、にっこり笑って挨拶を交わせる程度のコミュ力があれば十分です。

会話が発生しやすい食事とトイレ

バスに乗り込むとほかの参加者さんと会話する機会はほとんどありません。コミュニケーションが発生する主な機会は、食事、そしてトイレです。ツアーの食事では、二人1組で参加したとして、1組ずつのテーブルという場合は少なく、たいてい他の1〜2組と相席になります。

このときに自己紹介や話が弾んで仲よくなる人もいますが、挨拶さえ交わしておけば、あとは自分たちだけの会話に浸っていてもよく、同席者も「そういう人なんだな」とちゃんとわかってくれます。若い子たちのグループなどは、挨拶をした後はもう自分たちの世界でわいわい楽しそうに話していて、そこに割って入る人も基本的にはいません。というか、それをできる猛者は珍しいでしょう。

サービスエリアのトイレなどで順番を待つ間も自然に会話が発生します。「え、そんなの売ってました?」「あっちに売ってましたよ」とか、「お友達、(トイレを早く終わられて)出て行かれましたよ」と教えてくれたり。バスに戻ったときに「あのお二人さん、まだトイレを待たれてましたよ」と添乗員さんに伝えてくれたりと、短い時間ですがなかなかコミュニケーションの密度が高い場面です。

コミュニケーションしない人もいる

それでも他人と余計な話はしたくない!というあなた、ご安心ください。「本当にコミュニケーションをしたくないんだな」とわかる参加者がツアーに1組くらいはいます。挨拶もせず、笑顔もなく、食事のテーブルで相席になっても一切話さず、同行者の間(ご夫婦やお友達どうし)でしか会話しない。そこまで徹底していると、他の参加者もだんだん話しかけなくなります。「ああ、コミュニケーションを望まない人なんだな」と、周りも察するからです。

それが自分にとって全く平気なら、参加しても問題ありません。コミュニケーションは全くしなくても、時間に遅れずバスの中で大声を出さずツアーの旅程に迷惑をかけない人のほうが、添乗員さんや参加者にとって断然いい人です。

このように、パッケージツアーが向いているかどうかは、「行きたかった国や地域を手軽にいろいろと楽しみたい」「安心感が大切だから団体行動のルールには従う、むしろ従いたい」「初対面の人との挨拶くらいは苦にならない」などにかかっているように思います。逆に言えば、その条件さえクリアできれば、あとはツアー側がほとんどのことを整えてくれます。

自分がどちらのタイプか、次の旅行を考えるときの判断材料にしてみてください。

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