パッケージツアーの自由時間を楽しみ尽くすための準備

パッケージツアー(パックツアー)は、観光や移動があらかじめセットされていて何も考えなくてもいろんなところへ連れて行ってくれるのが最大の特長。たくさんの観光地をまわるのは楽しいし、それを魅力に感じて参加したはずなのに、やはり自由時間(フリータイム)は待ち遠しいものです。観光がぎっしり詰まったスケジュール表を見て、自由時間が少ないと思う人もいるかもしれません。そこで今回は、限られた自由時間を目いっぱい楽しみ尽くすための準備やちょっとしたコツなどをまとめてみました。観光はもちろん、自由時間もたっぷり満喫するための参考にしてください。

自由時間は始まった瞬間から減る

基本的なことを書きます。「自由時間にあそこに行きたい、あの店にも行きたい、できるだけたくさんのところに行きたい」という人は、下調べがかなり重要です。添乗員同行のパッケージツアーに申し込んだのだから添乗員さんに聞けばいいと思っていたら、その考えは甘いかもしれません。

もちろん、添乗員さんは質問に答えてくれるし、相談にも乗ってくれます。でも「では皆さん、これから90分間自由時間です」と言われたその瞬間から、自由時間は減り始めています。そしてその直後に、一定数の人が添乗員さんに質問しようとそばに集まります。「どうする~?」と話し合い始める人もいます(気ままに過ごしたい人ならそれで大丈夫です)。このときの初動が遅いと、貴重な自由時間を目減りさせてしまいます。

海外には料理が出てくるまでの時間が日本よりゆっくりペースのお店も珍しくありません。添乗員さんに何かを聞いたりしてから行動を始めたり、あるいは自由時間が始まってからお店を探して入って、注文して、料理が出てくるのを待って・・・と過ごしていると、あっという間に貴重な自由時間が過ぎてしまいます。

私は「現地での時間を高いお金を出して買っている」というスタンスで海外旅行を楽しむので、下調べは欠かしません。

いろんな種類の自由時間を知る

いわゆる王道の自由時間

パッケージツアーの日程表や旅のしおりに書かれている「自由行動(フリータイム)」「夕食はご自由におとりください」のことです。「わーい!最後のパリの自由時間に何しようかな」「ミラノでお買物しよう!」など、ワクワクしますよね。

上に書いたように、自由時間が始まってからあれこれ迷うのはもったいないです。参加までにある程度は決めておき、事前に添乗員さんに相談しておくのをおすすめします。当日までに「解散場所と集合場所はどのあたりになる予定ですか?」などを確認すると、漠然と考えていたプランがより具体化しますよね。

スケジューリングの考え方や自由時間の過ごし方はこの記事の下のほうや別の記事でも紹介しているので、ぜひお読みください。

“かくれ自由時間”を知っておく

パッケージツアーの日程表や旅のしおりには、自由時間や各自でとる食事が明記されていて、多くの人は、今回の旅行において自分の裁量で動ける時間はそこだけだと認識します。

けれども実際にツアーに参加してみるとわかることがあります。それは、「自由時間」とは書かれていないタイミングで発生する、プチ自由時間のようなものです。バスを降りて街歩きや観光スポット見学を終えた後、次の出発時間や食事までの間などによくあり、「はい、では皆さん、40分後にここに集合してください」などと添乗員さんから言われます。

この小さな自由時間は、日程表の上ではどれも「移動」や「観光」と書かれている時間帯の中のことで、自由時間としては計上されていません。私の推測ですが、パッケージツアーのスケジュールは、渋滞などを見込んである程度の余裕をもたせて組まれていて、旅程が順調に進んでいて次の予定(たとえば食事)の時間が動かせない場合は、それまでの時間をフリータイムとして扱うのでしょう。

私はこれを“かくれ自由時間”と呼んでいて、そこも含めてきちんと楽しまないともったいないと思い、出発前にその街の下調べを欠かしません。なので、添乗員さんから放牧された瞬間からお目当ての場所へとすぐに歩き始めることができます。準備をしていなければ、「これからどうする~?」「添乗員さん、いいお店ありますか?」といった検討や相談、スマホでの検索などに時間を取られてしまうのです。

空港での乗り継ぎも立派な自由時間

直行便が飛んでいるコースで乗継便を利用するパッケージツアーは、私は積極的に選んでいませんでした。乗り継ぎ時間がもったいないように思えるし、ロスバゲ(荷物の紛失)が増えるとされているからです。

当然ですが、直行便が飛んでいない地域へは、乗り継ぎで行きます。そのときは、「もう一カ国余分に楽しめる」「乗り継ぎ空港での時間も楽しまなくちゃ損」という気持ちで、乗り継ぎ空港のお店を下調べします。

夜も上手に使えば自由時間

見落とされがちなのが夜です。ホテルに戻ってからは、基本的にフリータイムです。近所を散歩してもよいし、気力があれば街へ出かけてもかまいません(安全に気をつけ、翌朝の集合時間にきちんと現れるのが大前提です)。

ホテルがわかったら、ホテル周辺がどんなようすか、近所にスーパーがあるかなどを調べ、その日はどうするかをざっくり考えていました。また、夜の時間を利用してオプショナルツアーに出かけたこともあります。

旅行会社に質問して精度をアップ

ここまでを読みながら、「え、“かくれ自由時間”なんてどうやったらわかるの?」「乗り継ぎ空港なんてしおりが届いてからじゃないとわからないし」と思いませんでしたか?実は、確実とは断言できませんが、ある程度はわかるのです。旅行会社によって対応は異なるかもしれませんが、私が利用する旅行会社では教えてくれました。

“かくれ自由時間”の聞き方

私は以下のように聞きます。

「☆月▽日出発の〇〇〇ツアーの自由時間はこの日とこの日に設定されていますよね。それ以外に、もしかしたらこのスポットで少し自由時間が発生するかもというタイミングがあれば教えていただけますか。絶対にそうなるところを聞きたいわけではなく、もしそういう時間があるなら知っておきたいと思うだけなので、可能性を教えていただけたらうれしいです。発生しなくても文句は言いません」

そうすると、特に渋っているようでもなく、ツアーの担当者または添乗員さんへの確認を経て、あっさり教えてくれます。小さな自由時間の可能性はすべて握っておく。これが、自由時間を逃さず最大限に楽しむコツの一つです。

乗継便やホテルも

乗継便を使うツアーのパンフレットには、経由地が「未定」と書かれていることがあります。ここで多くの人は、直前までわからないのだから調べようがないと考えるかもしれません。

ところが私が使う旅行会社では、あっさり教えてくれます。「ああ、〇〇〇ツアーはロンドンです」というふうに。もしかしたら、どの便になるか全くわからない「未定」というより、だいたいのルートが決まっているうえで「確定とはいわない」ということなのかもしれません。私はその乗り継ぎ地を聞いて参加を決めたこともあります。

申し込んだ後でも早めに聞いてみる価値はあります。なぜなら、私たちに日程や旅のしおり(=確定した内容)が届くよりも前にエアは決まっているからです。つまり、お知らせを受け取るまでどの便かわからないという状態ではありません。

ホテルも同様で、私たちが知るよりも前に確定しています。乗継便もホテルも、あくまで「見込み」や「最近の実績」を質問するといった流れで聞くのがおすすめです。

下調べと計画のコツ

行きたいところをピックアップ

ここは絶対行きたい、優先度が高いか低いかなどを頭の中で整理しつつ、行きたいお店やスポットをまずピックアップしましょう。

かくれ自由時間のスケジューリングの場合は、たいていは短めなので、ピックアップというより、地図にマーキングしておく程度がちょうどいいかもしれません。

食事をするお店をはじめ、もしお茶をするならここかなというお店、チョコレートなどの美味しいお菓子を売っているお店、母と行くときは母が行きたがりそうなブランドショップ、素敵な雑貨屋さん、私が海外で巡る習慣のある手芸屋さんなどをピックアップするのが私の習慣。レストランはもし混雑していたら他のお店にすぐに切り替えられるよう、複数の候補を探しておきます。

営業時間をチェック

行きたい気持ちが強いところを中心に、開店時間や営業開始時間の早いお店やスポット(A)、そして閉店時間や営業終了時間の遅いところ(B)もチェックします。そして、自由時間が終日ある場合なら、まずAへ行き、A周辺の希望スポットをまわり、徐々にBのあるエリアへと接近。ランチをとるならその途中で食べ、Bのあるエリアへ移動して、B周辺のお店やスポットをまわってから最後にBへ行くというプランをざっくり立てます。

きっと都合よくきれいにはまとまらないと思うので、「いやいやCにも行きたいかな・・・じゃあここはあきらめよう」といった調整を入れつつ、プランをまとめていきます。

営業日も忘れずに確認

日本の感覚で予定を組むと、営業日を見落とすおそれがあります。

ヨーロッパの個人経営の店は、日本より営業時間が短く、昼休みを長くとる傾向があります。日曜が休みなのは珍しくなく、月曜も閉まっていることも。観光地の目抜き通りにある大きな店だけを見ていると気づきませんが、小さな専門店はこの傾向が強いです。

私の場合は、ミュンヘンでどうしても行きたかった手芸店が月曜定休で、滞在中の空き時間と重ならず、結局行けなかったのが今も心残りです。

地図にマーキング

最後に、メインの訪問場所を地図にマーキング(ピン留め)していき、エリアの感覚や移動ルートをつかんでおきます。地図アプリによっては、検索したときにすでにマーキングされているかもしれませんね。

このとき、絶対に行くという選抜には漏れたお店やスポットも、優先度が低いとわかるようにマーキングしておくと、時間の余裕があった際に立ち寄れる可能性が増えます。自由時間が始まる前にその街をバスで通るときは、ちょっとアンテナを敏感にしてください。調べたときに気になっていたお店やスポットが目に入ったら、土地勘がいち早くつかめます。

その日のページを開けばわかる状態に

調べたことは、旅先ですぐ取り出せなければ意味がありません。

今から10年以上前は、ネットで見た記事をワードファイルに転記してプリントアウトして切り取り、なんなら地図とともに旅のしおりの中の該当日のページに糊で貼り、折り畳んでいました。その日の朝に旅のしおりを開けば、行きたい店の場所と営業時間が同じ紙の上でひと目でわかる状態です。旅のしおりを自分専用のガイドブックにカスタマイズしていたことになります。

ちなみに、いろいろな書き込みがなされ折り畳まれた紙が糊付けされてたんまり挟まっている私の旅のしおりを見た参加者の人はびっくりしていました。そして、万一盗難に遭っても困らないように、もう1部プリントアウトしてスーツケースに入れていました。

今は同じことをスマホでできます。実際、旅行会社は紙のしおりを廃止し、デジタルでの送付に移行する流れにあるようです。ただし海外では通信環境が不安定なこともあるので、その場で検索するのではなく、日本にいるうちに地図や情報をダウンロードしておき、オフラインでも参照できるようにするのが必須です。

無料Wi-Fiが完備されているツアーバスが多いので、バスの中でスマホで検索するという方法もありますが、バスの中のスマホ検索では俯瞰して検討しづらいです。紙であれデジタルであれ、できれば出発前までに調べておくことをおすすめします。

遠出するときは添乗員さんに一言

私が参加したツアーでは、長い自由時間の前には添乗員さんが「小夏さんは自由時間どうされますか?」などの軽い確認を雑談がてらしていると感じたことも多々あり、それなりに気を配ってくれている印象です。

もしそのような機会がなかったとしても、他の人が街中を散策するような中で、別の交通手段を使って遠出するときや現地発着のパッケージツアーに参加するようなときは、添乗員さんに伝えておくのをおすすめします。何かあったときに対応してもらいやすくなります。

実際にツアーで起こること

調べていない人はわりといる

マルセイユでの昼食のときのことです。昼食は各自自由だと事前にわかっていました。私は調べておいたブイヤベースの店に向かって歩き出しました。すると数名の参加者の方から「どこに行くの?」と声をかけられました。調べておいたブイヤベースのお店に行きますと言うと、一緒に行っていい?と言われ、10名弱でお店に入り、みんなで食事を楽しみました。

これは一度きりの偶然ではなく、参加するたびに起きています。自由時間になってすぐにお目当てのお店に行こうとすると、一緒に行っていい?とよく言われるのです。

こう書くと、調べた人が得をして、調べていない人が損をするという話に聞こえるかもしれませんが、そう言いたいのではありません。でも、他にもっと好みのところがあるかもしれないのに私の行くところでいいのかな?と思ってしまうのも事実です。

もちろん、特に何も決めずに、時間に追われず、目に入ったものを見て、気になった路地に入って気ままに過ごすのも旅の楽しみ。その日の気分が、たまたま私の行き先にぶらぶらとついていきたいということなら、それでかまいません。

現地での情報収集も実はできる

私は気になったお店やスポットを見つけたら、名前や場所、営業時間をワードファイルに書き足していく習慣があります。旅行のたびに増えていくので、次に同じ国へ行くときにはそのまま使えます。出発前に必要な分だけ印刷して持っていきます。

このように事前準備を大切にしていますが、実は現地に着いてからも情報を積極的に集めます。立ち寄ったお土産物店に日本人の店員さんがいることもあるし、ガイドさんはほとんどが現地に住む日本人なので事情を知っていることも多いです。ただし、聞くタイミングは気をつけましょう。ツアーの一団がお店に入ってすぐは接客で忙しいので、少し様子を見て落ち着いた頃合いを選びます。候補が2軒あって迷っているときは、どちらが行きやすくて安全かという聞き方をすると、地元の人の判断が入った答えが返ってきます。

このように、旅のしおりに書かれた時間だけが自由時間だと思わず、その周辺にある細かい時間も自由時間だと考えて下調べしておくと、一回のツアーで自由に楽しめる時間の総量が違ってきます。ツアーでの観光も、自由時間の食事やお買物も、どちらも堪能したい人はここに書いた方法をお役立ていただけるとうれしいです。

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