パッケージツアーでも安心しすぎはNG!大切な防犯のこと

ヨーロッパ方面のパッケージツアー(パックツアー)の参加者さんには、ヨーロッパが初めてという人が少なくありません。どれくらい安心なのか、どんな防犯対策をすればよいのか、想像がつかないことも多いのではないでしょうか。私はこれまで10回以上、ヨーロッパのパッケージツアーに参加してきましたが、一度も盗難にあったことがありません。運がよかっただけかもしれませんが、かなり細かいことをしているので、その対策の分は効いているのではないかと思っています。この記事では、パッケージツアーに参加するときの主に盗難を意識した防犯対策について私が実行していることや考え方をまとめてみました。

パッケージツアーの防犯の考え方

ツアーには添乗員さんがいます。これまでの経験や豊富な知識から、防犯についての案内もしてくれます。また、観光地を歩くときは団体でぞろぞろ歩くので、一人でふらっと歩いている旅行者よりは、悪いことを考えている人が近づきにくい対象だと思われます。そういう意味では安心感があるのですが、団体を離れて行動するときは特に気を抜かないようにする必要があります。

添乗員さんの注意に従うのは大前提

貴重品の扱い方といった基本的な注意は、添乗員さんが出発前やバスの中で繰り返し言ってくれます。このあたりはスリが多いので気をつけてくださいとバスを降りる前に一声かけてもらえることもあります。キーホルダーなどを売りつけてくる人が多い場所では、いらないなら無視して構いませんと先に教えてくれます。その他にも、不安なことがあれば、まず添乗員さんに聞けばいい。これはパッケージツアーの大きな利点です。

ちょっとした合間の行動に注意

添乗員さんに言われたことを守っていればそれでいいのかというと、そうではありません。案内してもらえるのは誰にでも当てはまる基本の部分です。安心しすぎは禁物です。

気をつけたいのは、自由行動の時間。そして、みんなで一緒に観光しているちょっとした合間にふらりとお店に寄ったりトイレに行ったりするときです。言葉が通じる日本人と一緒にいる気持ちのままで行動すると、つい無防備になりかねないからです。また、パッケージツアーではやむを得ずスーツケースから目を離すことになる時間も発生するので、その際は注意が必要です。

私の防犯対策の基本

私の防犯の考え方は、日本で起きたある出来事から始まりました。それをきっかけに、二つのことを大事にするようになりました。

目を離さないと決めたきっかけ

以前、母と百貨店に行ったときのことです。母は靴売り場の低いソファに座って靴を試着していて、ハンドバッグを自分の背中側に置いていました。その一瞬のうちに、バッグが盗まれていました。その後の連絡や手続きは大変でした。

日本でも悪いことをする人はいる。目を離せば盗られることがある。私はそのとき身をもって知りました。それ以来、貴重品と荷物からは絶対に目を離さないと決めています。

一人でセルフサービスのカフェに入り、席を取ってから注文の列に並ぶときは、取られてもかまわないハンカチだけを席に置き、バッグは自分で持って並びます。友達とカフェにいてトイレに行きたくなったときは、「ごめん、荷物見といて」と必ず一言かけてから立ちます。

日本でさえそうしているのだから、身の回り品への注意喚起がされている海外では、さらに気をつけるようになりました。

悪いことをする人の視点を考える

いつも重視しているのは、盗む側から見てどう見えるかということです。相手も人なので、手間と時間のかかりそうなものに手を出すのは避けたいはずです。開けるのに手こずりそう、動かすのに骨が折れそう、そう見えれば楽に“仕事”ができそうなほうに手を出す。そんな原則を仮定したうえで対策をしています。

盗られたときに困らないようにしておく

もう一つは、それでも盗られてしまったときに、旅行への影響をできるだけ小さく抑えることです。何かあったときにできるだけ困らないようにするにはどう備えておくべきかと考えて用意します。ここから具体的に説明していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

出発前にしておくこと

日本を出る前にも、しておいたほうがいいことがあります。

訪ねる国の注意喚起を読む

ツアーの行き先の国にある日本大使館のサイトをチェック。その国の注意喚起を読んでおきます。その国で日本人がどんなトラブルにあっているかを知っておくと、現地でも意識できます。

たびレジに登録する

外務省の「たびレジ」にも登録しておきましょう。渡航先の安全情報や、現地で何か起きたときの連絡がメールで届くサービスです。

私は個人旅行でパリに滞在していたときに、劇場でのあの事件が起きました。何かあったらどうなるんだろう・・・と思って調べたのが、登録するきっかけでした。緊急事態が起きたときの備えになるので、ぜひ登録をおすすめします。

ホテルの部屋での対策

ホテルの部屋では、現金やパスポートをどこに収納するかが一番のポイントです。

貴重品は出しっぱなしにしない

これは添乗員さんから必ず案内があります。ホテルに着いたとき、朝の出発前、機会があるたびに言われます。案内されるということは、貴重品の紛失や盗難が起きているということでもあります。

私が参加したかぎりでは、添乗員さんは金庫(セーフティボックス)の選択肢も教えてくれますが、判断はゆだねるというニュアンスで話します。私は金庫は使わず、パスポートは身につけて外出します(詳しくは後述)。

スマートフォンやカメラなどのデジタル機器も貴重品です。たとえば朝食をとりにホテル内のレストランに行くといった短時間の外出の際は、充電したいからと差したまま出かけたくなりますが、部屋に出したままの状態はおすすめしません。本体がなくなるのももちろん避けたいですが、知らないうちに使われるおそれもあります。添乗員さんから実際にあった話として聞いたのが、部屋に置いていたスマートフォンからとある国に国際電話がかけられていたという事件です。その国は、持ち主にまったく縁のない国だったそうです。本体がなくなっているわけでもないので、すぐには気づきにくい被害です。

金庫は使わない

ホテルの部屋に金庫があっても私は使いません。理由は三つあります。

一つ目は、金庫ごと持って行かれたら意味がないからです。据え付けでない小さなものだと、抱えて出られてしまいます。

二つ目は、暗証番号を忘れたお客さんのために、ホテル側が開けられる仕組みがないとは考えにくいからです。実際にどういう仕様なのかは知りません。ただ、番号を忘れる人は必ずいるはずで、そのたびに金庫が使えなくなるとは思えない。そう考えると、自分だけが開けられる箱ではなさそうです。

三つ目は、金庫に入れたことを忘れてチェックアウトしそうな自分を否定できないからです。これがいちばん大きいかもしれません。

スーツケースの守り方

スーツケースには、現金のほかデジタル機器なども入れています。いわば貴重品のかたまりです。絶対に狙われたくありません。ですが、四六時中スーツケースに目を光らせるわけにもいきません。パッケージツアーでは、やむを得ずスーツケースから離れる場面もあるため、いろいろなシチュエーションを想定して大切なスーツケースを守っています。

鍵付きのワイヤーひもが大活躍

ほとんどの海外旅行に携帯している私の防犯の相棒が、ちょっとやそっとじゃ切れないワイヤー製の両先端がわっかになっているひもです。そこに3桁のナンバーロックのバーを通すことで、持ち物を固定することができます。自転車に使っている人も多いと思います。

お買物履歴を調べてみたところ、私は20年前に600円ほどで購入しています。今は少し値上がりしているようですが、1000円台で購入できるようです。スーツケースの防犯をより念入りに考える方はぜひ購入を検討してみてください。

部屋では家具にくくりつける

連泊するときはスーツケースを部屋に置いたままの時間が発生します。私は3桁の番号を合わせる鍵の付いたワイヤーひもでスーツケースを家具(動かないもの)にくくりつけて固定していました。

そうまでしていても、スーツケースを力づくで壊されたり切られたりすると、中身を失う可能性はあります。でも、くくりつけているスーツケースは動かしにくく、その作業もしづらいはずです。よほど私のスーツケースに熱意がなければ、あきらめてくれるのではないか。そんな盗る人の心境を考えた対策です。

夜間の安心にもなる

寝るときは、スーツケースをドアのすぐ内側に置き、鍵付きワイヤーひもでドアノブにくくりつけます。眠っているときにもし侵入しようとする人がいたら、ドアを開けるときに音がするし、スーツケースの重さが一時的にですが開閉を邪魔するからです。特に一人でツアーに参加したときは、安心感につながりました。ただし、部屋から逃げ出す事態ではスーツケースが邪魔になってしまうので、これを実行するときはよく考えてください。

ロビーに放置されるときもくくりつける

パッケージツアーでは、ホテルのチェックイン前やチェックアウト後に部屋を使えないときに、一時的にロビーのフロント脇などに参加者全員のスーツケースをまとめて置くことがあります。私はこれがとてもいやです。人の出入りがつねにある場所です。フロントの人もじっと見てくれているわけではありません。もちろん不審者がうろつけば気づいてくれると思いますが、心配です。

そこで、母や友達と参加しているときは、スーツケースを鍵付きワイヤーひもで結束させます。片方を持って行こうとすると、もう片方も動かすことになり、ちょっと妙な行動になるはずです。人目のあるところで、そこまでする気にはならないだろうと思います。

一人で参加したときは、スーツケースを結束させる相手がいません。そのときに残るのが、スーツケースの色でした。盗る側の心理としては、黒やシルバーの目立ちにくい特徴のないスーツケースのほうが、人に見られたときに記憶に残りにくく、持ち去りやすいのではないでしょうか。そう考え、私は色のついたスーツケースを使っています。また、スーツケースを開けるのにひと手間増やすためと、ぱっと見て判別しやすくするためにベルトもつけています。

街歩きはポシェットななめ掛けで!

外に出るときは、ポシェットをななめ掛けにするのが私の大原則。いつも身体に密着させて目を離しません!

ななめ掛けで両手を自由に

私がポシェットをななめ掛けにする理由は、両手が空くからです。片手が塞がっていると狙われやすく、とっさに動くこともできません。

ポシェットは車道側に掛けない

ポシェットの本体は、車道側に来ないようにします。添乗員さんもそのように注意してくれます。通りすがりのバイクなどに乗った人に狙われるとしたら、車道側だからです。運が悪いと、身体ごと引きずられて怪我をすることがあるそうです。

冬はポシェットをかけた上からコート

コートを着る季節は、ポシェットをコートの中に隠します。つまり、ポシェットを掛けてからコートを着ます。こうしておくと、よほどのことがない限りポシェットやその中の財布に人の手が触れません。

地図を見るときは壁を背にする

背中には目がついていません!立ち止まって地図を見るときは、壁を背にして立つようにしています。母がバッグを取られたのも、背中に置いていたときでした。

男性向け:後ろポケットに財布を入れない

ズボンの後ろポケットに財布を入れないようにというのも、添乗員さんが何度も注意することです。それでも、自分は大丈夫と思うのか、うっかりいつもの習慣でそうしてしまうのかはわかりませんが、つい財布を入れる人はいて、それで盗られた人がいると添乗員さんに聞きました。

買物の荷物と食事の席

買物して荷物が増えたり食事の席でバッグを置いたりするときにも、注意を怠りません。

紙袋を提げて歩かない

旅先では買物もします。気をつけたいのがショップの紙袋です。ブランドの名前が入った紙袋を提げていると、高価なものを買ったばかりだとわかります。そのため、エコバッグを持っていきます。スーパーで買物をするときにも使えます。

アウトレットはバスで行く

パリ郊外のアウトレットには何度も行きました。一度、RER(鉄道)で行ったときは、帰りの車内でブランドの紙袋がずいぶん目を引いていたようで、乗客の女の子からじろじろ見られていました。エコバッグにいれればブランド名は隠せますが、たくさん買った荷物が小さくなるわけではありません。そもそもたくさんの荷物は動きを妨げてしまいます。それ以来、アウトレットへは半日オプショナルツアーを利用してバスで往復するようになりました。買ったものを抱えて電車に乗らずに済むので、おすすめです。

ラクなのに旅をぐ~んと濃くできるオプショナルツアーのすすめ
パッケージツアーの自由行動の日をどう使うか迷ったら、オプショナルツアーという手があります。コッツウォルズやブルージュ、パリの夜景など実際に参加したツアーをもとに、申し込み方や日本語対応の見分け方、時間の注意点をまとめました。

食事の席ではバッグを膝の上に置く

ツアーの食事は団体席です。私は小さなポシェットをななめ掛けしているので、そのまま膝の上に置きます。ポシェットではない人も、椅子の背には置かず、できたら膝の上などの目が届くところに置いてください。そのときのスペースにもよりますが、バッグハンガーを用意しておくと、役に立つこともあります。

また、ホテルの朝食ビュッフェで、席に荷物を置いたまま料理を取りに行く人を見かけますが、安全の面ではちょっと考えものです。貴重品類は必ず身につけておきましょう。

大事なものほど分けて持つ

気をつけていても、被害に遭うことはあります。手荷物かスーツケースのどちらかがなくなったとしても、できるだけ困らないように備えます。

現金は分散する

現地通貨も日本円も、手荷物の中の財布とスーツケースに分けて入れています。さらに、折り畳んだお札を服の中にも入れています。外出先で手荷物のバッグを失っても支払う手段が残ります。

パスポートは服の中に

パスポートは、パスポートサイズのチャック袋に入れ、インナーの中(お腹)に入れています。これを話すと、たいてい「えー!」「トイレで落とさない?」と驚かれます。でも、チャック袋に入れてあるので、万一落ちてもすぐには濡れません。それに、脱ぐときの向きを考えると、落ちるとしたら床です。水の中に落ちることはありません。

パスポート提示にはまずコピーで対応

パスポートのコピーを2部用意。スマホでも撮影しておきます。インナーの中に入れてあるパスポートはすぐに取り出せるものではないので、小さく折り畳んでバッグに入れておき、お店で免税の手続きをしてもらうときに、まずコピーを出します。「本体はここにあるの」とお腹のあたりを指さしたら、コピーでいいと言われたこともあります。どうしても本体が必要なときは、試着室を借りて取り出します。コピーのもう1部はクリアファイルに入れてスーツケースの中に入れておくと、万一の紛失時に安心です。

飛行機に乗る日だけは別

飛行機に乗る日は、搭乗手続きから出入国審査まで何度もパスポートを出すので、パスポートをバッグに入れます。添乗員さんからは、空港にも悪い人がたくさんいるので気をつけるようにと言われます。空港は、ほっと一息ついて気が緩みやすい場所です。買物でお金も使います。よからぬ考えを持つ人からは、大きな荷物を持った人がパスポートや財布を何度も出しているという見え方になります。いつも以上に気をつけてください。

いろいろな連絡先の控えも用意

パスポートの控えのことは上に書きましたが、その他、クレジットカード会社や保険会社、緊急時の家族の連絡先などを1枚にまとめて2部プリントアウト。手荷物とスーツケースに入れておきます。どちらかをなくしても、参照できるようにするためです。データはスマホにも入れておくとより安心です。

緊急連絡先は、私が万一倒れてしまったりしたときに、誰かに読んでもらうためのものです。名前と「何かあったときは妹に連絡してください」という一文を日本語と英語の両方で書き、電話番号を添えています。連絡先を両親ではなく妹にしたのは、外国からいきなり電話がかかってきたら、話が通じるまでに時間がかかると思ったからです。誰にするかは人それぞれですが、電話を受けてすぐに状況を飲み込める人を選んでおくと安心です。

母と一緒に行くときは、自分の分と母の分をお互いに持つようにしています。どちらの何が盗られるかわからないからです。この連絡先の一覧は、ファイルを一度つくってしまえば、次の旅行からも使えるので便利です。

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