パッケージツアー(パックツアー)の自由行動の日、何をして過ごそう?と思ったとき、ぜひ検討に入れてほしいのが、オプショナルツアーです。一日は買い物でいいとしても、もう一日は何かしたい。せっかくヨーロッパまで来たのだから、もっと名所を回りたい。行ってみたかった場所がパッケージツアーの行程に入っていない。自力で行くのはちょっと不安。オプショナルツアーはそんなときにとても役立ちます。
オプショナルツアーとは、ツアーの旅程とは別に、追加で申し込んで参加する現地発着のツアーです。たとえばパリから出発すれば、ほとんどはパリに戻ってきます。
ここからは、私がこれまでにオプショナルツアーに参加した経験をもとに、どんな場所や時間に向いているのか、申し込む前に何を確かめておくといいのか、ツアーがどんなふうに進むのかなどを書いていきます。
小さな村・隣国・夜景もラクラク
オプショナルツアーの値打ちが一番出るのは、自分では行きにくい場所や時間です。
小さな村々をめぐる
ロンドンからのオプショナルツアーで、コッツウォルズの村々を回ったことがあります。見たかったのは、なだらかに傾いた牧草地で羊が草を食べている、イギリスの田園風景でした。それが目の前に広がっていて、小さな村々もそれぞれに素敵でした。ただ、すべての村を自力で調べてまわったとしたら、どれだけ大変だったでしょうか。村から村へバスで連れて行ってもらって正解だったと思います。
パリから隣の国へ
終日の自由時間が設定されている旅程なら、遠くまで足を延ばすツアーにも参加できます。たとえばパリからは、ロンドンやベルギーへのオプショナルツアーもあります。私はロンドンを検討したことがありますが、スケジュールがかなりハードそうだったので見送ることにして、ベルギーのブルージュにしました。若い頃に聞いた歌の影響で、いつか一度行ってみたいと思っていたからという理由もあります。パリから行って、ベルギービールを飲んでムール貝とワッフルを食べてパリに戻りました。朝に出発して夕方に戻ってくる、一日がかりのツアーです。
このように、滞在する都市から日帰りできる国なら、訪れる国を1カ国増やせます。ちょっと得をした気分になれますよ。
夜のパリをめぐる
母とパリを含むパッケージツアーに参加したとき、イルミネーションを見たいと母が言ったので、夜景巡りのオプショナルツアーに参加しました。何度目かのパリで、名所はもう回っていたし、買い物は翌日の自由行動ですればよく、いつもと違うことをしようとすると夜景になったのです。私たちは夜に出歩くのは避けているのですが、オプショナルツアーなら安全に夜の時間を使えます。
ツアーはバスで市内を回り、車窓からの風景をガイドさんの説明を聞きながら眺め、エッフェル塔と凱旋門では降りて写真を撮りました。「ここからはきれいに撮れますよ」というところで降ろしてくれ、夜は人が少ないので写真も撮りやすかったです。
私たちは日本からインターネットで申し込んでいたのですが、パッケージツアーの参加者さんにこの話をしたら、二人連れ×2組の計4名が「私たちも行きたい」と言い出しました。私がメールで追加を申し込み、4人とも参加できることになりました。夜に出かけたいと思っていたのは、私たちだけではなかったのです。
ほかにもいろんなツアーがある
私は上記のほかにも、モネの睡蓮で知られるジヴェルニーや郊外のアウトレット、イタリアのコモ湖などのツアーに参加しています。朝を利用するプランや半日のプランなど、いろいろな種類があるので、探してみてください。
パリのアウトレットは「ツアーを利用するほど郊外ではない」という感覚を抱く人も多そうで、実際に私もRER(鉄道)を利用して行ったこともあります。でもツアーのバスなら、買ったものを入れた紙袋を提げて郊外から電車で戻らなくていいので、バスを選ぶようになりました。
楽しそうな内容でも、パッケージツアーに向いていないオプショナルツアーもあります。たとえばパリからロンドンへ一泊で行くようなプランや、ある都市を出発して別の都市で解散する移動型のツアーです。
申し込みは出発前が基本
オプショナルツアーは基本的には出発前に申し込んでおくほうが安心ですが、空きがあれば現地に着いてから追加できることがあります。前の章に書いた夜景ツアーで、ほかの参加者さんの分をメール申し込みで追加できたのがその例です。申し込み方(申し込むルート)には大きく分けて二つあります。
オプショナルツアーの専門サイト
現地ツアーだけを集めた専門サイトがあり、さまざまな国や地域のいろいろな旅行会社が出しているオプショナルツアーを検索して申し込めます。同じ行き先でも朝に出発するもの、昼に出発するものがあり、戻ってくる時刻もそれぞれ違います。半日だけ空いている時間を使うつもりなら、時間のやりくりが確実にできるものを選んでください。
パッケージツアーの旅行会社を通す
もう一つは、パッケージツアーを申し込んだ旅行会社が扱っているものに申し込む方法です。多くの旅行会社がオプショナルツアーも扱っていて、パンフレットやサイトに案内が載っていたり、申し込みのときに案内が届いたりします。このルートで申し込んでおくと、添乗員さんが少し目配りをしてくれることがあります。自由行動の前日や直前に、添乗員さんが「〇〇さんはオプショナルツアーに申し込まれていましたよね」と声をかけている場面を何度か見かけました。自社で案内しているものなので、一応管轄内のような感覚になるのだと思います。
私の場合は、イタリアを周遊するパッケージツアーに参加したとき、旅行会社が案内していたコモ湖へのオプショナルツアーに申し込んだことがあります。行ってみると同じツアーの参加者の半分から三分の一くらいが申し込んでいて、顔なじみのメンバーとコモ湖を楽しめました。より安心感を求めるなら、旅行会社が案内しているものを選ぶといいと思います。

実現度が低い裏技(現地の旅行会社)
自由になる時間が少ないパッケージツアーでは難しいと思いますが、第三の方法もあります。私は個人旅行でパリに行ったときに、現地の旅行会社の店頭へ行き、前日や前々日に申し込みました。日本の会社を通さないぶん余分な上乗せがなく、安く済みました。その代わり、参加者は外国人ばかりで、ガイドさんが運転手を兼ねる小さなバンに6人ほどで乗り込む形でした。バスほどの快適さはなく、狭い車内は私の好みではありませんでした。
「日本語対応」の中身はさまざま
ネットでオプショナルツアーを探すと、「日本語対応」と書かれたものがたくさん出てきます。ただ、その中身はツアーによってかなり違います。
ガイドとアシスタントの違い
ツアーの説明には、「日本語ガイド」「日本語アシスタント」といった言葉が書かれていることがあります。どちらも日本語で対応してくれる人ですが、できることが違います。
日本語ガイドは、観光地の歴史や文化、建築などについて専門的な説明をしてくれる人です。国や地域の公認ガイドの資格を持っていることが多く、美術館や遺跡でしっかり解説を聞きたいならこちらが向いています。ただ、日本語ガイドと書いてあっても、ガイドさん自身が日本人とは限りません。私が参加したツアーでも、日本語を話せる外国人のガイドさんだったこともあります。難解な歴史用語は若干聞き取りにくいこともあるので、歴史好きでたっぷり質問して会話したいという方は、こだわるべきポイントかもしれません。日本人に案内してほしいなら、「日本人ガイド」と明記されているものを選ぶと確実です。ただし、聞き取りにくくてもその国で生まれ育った人のほうが深く歴史を語ってくれるという可能性もあります。
日本語アシスタントは係員と呼ばれることもあり、移動の付き添いや道案内、チケットの受け取り、レストランでの簡単なやりとりなどを手伝ってくれる人です。法律や規則の制限があるため、施設の中で専門的な解説をすることは一般的にはありません。添乗員さんとガイドさんの違いと同じで、日本語で付き添ってくれる人がいることと、解説してくれる人がいることは別のことです。美術館の中で説明を聞きたいのにアシスタントが付くツアーを選ぶと、思っていたのと違うということになりかねません。
自分の希望に合わせたいなら
美術館をもっとじっくり見たいとき、たとえばルーブルやオルセーをたっぷり時間をかけてまわるオプショナルツアーもあります。さらに自分の希望に合わせたいなら、現地在住の方が個人的にガイドを引き受けてくれるサービスもあります。ガイドさんの交通費や、美術館に付き合ってもらうならその入場料も負担するので割高にはなりますが、よりオーダーメイドなまわり方ができます。その他にも、朝市を案内してほしい、星付きのレストランに行きたいけれど一人では少し不安といったことにも付き合ってもらえます。
多言語のツアーは説明が短くなる
現地にはいろいろな旅行会社があり、さまざまな言語の参加者をまとめて案内するツアーもあります。参加者のほとんどが外国人で、日本語対応と書いてあっても、日本語が少し話せる現地のスタッフが一人乗っているだけ、ということもあります。
説明は、ガイドさんがまず英語で話し、次に別の言語、そのあとに日本語という順番で進んだりします。説明に使える時間が10分あるとして、それを3か国語で分けるのと1か国語だけで使うのとでは、伝えられる中身が違ってきます。どうしても日本語の説明は短く、薄くなりがちです。
割り切るなら英語だけのツアー
説明はそんなに重要ではなく、その場所に行ければいいという人なら、安さで選ぶのも一つの考え方です。一番安いのは英語だけのツアーです。基本的な英語がわかり、集合時間や集合場所が聞き取れるなら、割り切って選ぶ手もあります。
日本人だけのツアーもある
日本語でしっかり質問したり話したりしたいなら、日本や日系の現地の旅行会社のツアーが向いています。日本人だけを乗せて回るツアーもあり、最初に書いたコッツウォルズのツアーや夜景のツアーは参加者が日本人だけでした。

何時に終わるのかを忘れずにチェック
オプショナルツアーを自由行動に組み込むときに、一番注意したいのは、パッケージツアーの旅程に絡む可能性のある部分の時間です。
半日自由行動の日
自由行動が午前か午後の半日だけあり、その時間を利用してオプショナルツアーに参加したい場合は、特に午前中の予定がキモです。もし遅くなったとしてもどれくらいまでは確実に終わりそうかを旅行会社に確認しましょう。午後の予定に間に合わなければ、パッケージツアーの旅程から置いていかれたりオプショナルツアーに参加できなかったりすることになります。
夕食が付いている日
あまりないパターンだと思いますが、自由行動の後に夕食がツアーの予定に組み込まれている日は、夕食の時間までに戻れるかどうかを確かめておきましょう。オプショナルツアーの終了が遅くなった場合に夕食を欠席してもいいかどうかもあわせて添乗員さんや旅行会社に聞いておくと安心です。私の体感では、ホテルの移動や翌日の出発に関わらない部分であれば、欠席すること自体はそれほど問題にはならなさそうです。ただし、前もって伝えておくことが前提です。
空港へ向かう日
特に気をつけたいのは、空港へ向かう日です。昼過ぎまで自由行動で、そのあと集合してバスで空港へ向かうという旅程のときに、午前中をオプショナルツアーに使いたいなら、集合時間までに確実に戻れるかどうかを必ず確かめてください。ここで遅れると、飛行機に間に合わなくなるおそれがあります。この確認は、命とパスポートの次に大事だと思っています。
行き帰りの交通手段も考える
オプショナルツアーの集合場所と解散場所が、その日の動きに影響を及ぼすことがあります。オプショナルツアーを催行する会社に集合してそのあたりで解散するのが一般的ですが、宿泊しているホテルからの距離やアクセスによっては、ハードルに感じることもあるからです。
たとえば、朝早くに出発するツアーは特に、知らない街で鉄道やメトロを使って集合場所へ行くのか、タクシーで行くのかなど、検討が必要です。現地でタクシーに乗るのを怖がる人もいますが、添乗員さんに相談することで、ホテルのフロントにタクシーを呼ぶべき時間などを聞いてもらったり依頼してもらったりすることもできます。
帰りはホテルまで送ってくれるオプショナルツアーもあります。先ほどの夜景ツアーも、ホテルまで送ってくれることが決め手の一つでした。
ここまで書いてきたように、時間や行き帰りのことまで含めて上手に選べば、オプショナルツアーは自由行動の日をぐんと濃くしてくれます。

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