都内に住む私がパッケージツアーで前泊するのはなぜ?

海外旅行をするとき、前泊は地方の人がするものと思われがちです。都内に住んでいるので、よほどの早朝出発便の搭乗でないかぎり、当日の朝に家を出ても間に合います。それでも前日のうちに出発し、空港の近くのホテルに前泊します。この記事では、私が前泊するようになったきっかけと、前日にしていることを紹介します。

国内線に乗り遅れて国際線に乗れなかった

そもそものきっかけは、飛行機に乗り遅れたことです。パッケージツアー(パックツアー)ではなく、自分で手配した旅行のときでした。

羽田から国内線で関空へ飛び、関空発のエールフランスに乗る予定でした。エールフランスに乗ってみたかったんです。私はどちらかというと飛行機に乗り慣れていて、いつもの国内線に乗る感覚で動いており、国際線に乗るときのように大幅に前もって空港に到着するつもりではありませんでした。ところが重いスーツケースを持って人の多い時間帯の電車に乗ったせいで、思っていたように動けず、乗り換えがスムーズにできませんでした。

羽田に着いたときには飛行機はまだ出発していませんでしたが、搭乗できる時間ではありませんでした。関空行きは本数が少なく、代わりの便もない。その時点で、エールフランスにも乗れないことが決まりました。

すぐ電話をして、その日の夕方の成田発のエールフランスに振り替えてもらえました。羽田から成田へ移動し、成田のラウンジでかなりの時間を潰してから搭乗しました。いま思い返しても、よくそんなことができたなと思います。振り替えは航空会社の判断で決まることなので、いつでもこうなるとは限りません。運がよかった話として読んでください。

このときは私の読みが甘かったのがすべての原因なのですが、もしそうでなくても国内線に遅れたり飛ばなかったりする可能性をそのときはっきりと認識しました。また、都内であっても、空港はそれなりに遠いところにあります。特に成田です。大雨や台風になれば在来線が止まることはありえます。特に近年は、天候災害によるストップが増えているのに気づき、「空港に無事に着くことがどれだけ大事か」を身をもって悟りました。これが、私が必ず前泊するようになったきっかけです。

一緒に参加することが多い母は地方からの参加ですが、当日に地方空港から飛んで間に合うスケジュールでも、必ず前泊します。

ツアーは置いていかれたら終わり

エールフランス乗り遅れ事件は自分で手配した旅行だったので、自分の判断で動けました。パッケージツアーだとそうはいきません。

集合時間に来ない参加者がいても、パッケージツアーは待ってくれません。添乗員さんはほかの参加者を連れて予定通りに出発します。乗れなかった航空券は団体運賃なので、個人の都合で後の便に振り替えられる性質のものでもありません。出発日当日に参加できなければ、旅行代金は戻らないと考えておいたほうがいいでしょう。

旅行会社にもよりますし、現地の行程にもよりますが、自費で航空券を買い直して途中から合流できる場合もあります。ただ、そのための航空券も、現地での移動も、合流するまでの宿泊費も自分持ちです。すでに払った代金は戻らないまま、もう一度お金をかけることになります。

一週間から十日の旅行に行くために、仕事も家のこともかなりのやりくりをして出かけています。それが、国際線は飛んでいるのに空港に行けなかったことでパアになるのはどうしても避けたいところです。前泊にかかる一泊分の宿代は、その事態が起きる確率を下げるために払うと割り切っています。

「安心」以外の前泊のメリット

前泊には、「確実に空港に着いておくことで国際線が飛べば旅行に出発できる」以外の積極的な理由やメリットも実はあります。

朝いちばんにカウンターへ並べる

事前予約では同行者と隣同士の座席を取れなかった、隣同士は取れたけどもっとあっち側の席がいいといった場合は、当日のチェックイン時はその願いが叶うかもしれないチャンスです。いい座席はみんなが狙います。早い者勝ちなので、前泊することで朝早くから空港のカウンターへ行けます。手続きが始まっていなくても開始までカウンター前に並んでおけば、一番乗りです。

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忘れ物の補充ができる

何度出かけても、忘れ物は珍しくありません。私が忘れ物をしていなくても、同行者が忘れることもあります。昔はデジカメの電池でしたし、今なら充電器でしょうか。母が「(首からさげて服の内側に入れておけるタイプの)パスポートケースを忘れた」と言い出したこともあります。

空港でたいていのものは調達できますが、探す時間がなければ意味がありません。ぎりぎりに着いていると、保安検査や入国審査を急いで済ませなければならず、一般エリアのお店を十分に探す余裕がありません。前泊でなくても早めに着けばもちろんそれは可能ですが、前泊しておけば前日にゆっくり探して検討したり、または購入を済ませてスーツケースや手荷物のしかるべきところへ格納してから行動できます。

機内で食べたいおやつやあちらに着いてからの万一のための軽食がわりのおやつもたっぷり選べます。

前泊の夜から旅が始まる

旅が始まってしまうと、毎日の旅程をこなすことで精一杯になり、疲れもあります。「ねえねえ、フリータイム、どうする?」のような相談ができないことも多いのです。

その点、前泊の日は仕事も家のことも片付いて、いざ出かけるぞ!という元気な状態で集合しています。友人との旅行では、各自が持ち寄った資料やガイドブックを広げて、フリータイムの日にどこへ行くか、各自で夕食を取る日はどの店にするかなどを相談する時間ができました。

地方在住の母にとっては、成田や羽田そのものが珍しい体験のひとつ。都内に住んでいても、飛行機に日常的に乗らない人は「飛行機ってどうやって乗るの」というところから始まるくらい、非日常だったりもします。そういう人にとっては、空港で過ごす時間そのものが旅の一部になります。

誰とどこに泊まるか

母や地方に住む友達とツアーに参加するときは、私も一緒に前泊します。幸いにも友達も私と同じで「国内線のトラブルで旅行に行けないなんて絶対にいや」という考えなので、迷いなく前泊を選びます。部屋代も割り勘になり、旅行の相談もでき、旅が一日増えた気分になります。

泊まる場所は、空港へのアクセスがはっきりしているところを選びます。空港から少し離れたホテルを選ぶと宿泊費は安くなるのですが、それだと「何か起きたときのため」という本来の目的から離れるので、空港に直結したホテルか、シャトルバスで出発ターミナルまで乗せてくれるホテルを予約します。前の晩も空港で過ごしてごはんも食べるので、空港に近い方が便利です。

前泊しないときは

「いやいや、旅行にお金も休暇も費やすのに、前泊は現実的ではない」という人もいると思います。そんな人は、私の乗り遅れ事件に基づき、以下の2つに留意して「空港までたどり着くのがまず先決」を果たしてください。

めちゃくちゃ早めに出る

搭乗手続きのリミットから逆算して所要時間を差し引くだけでなく、それに数時間の余裕を持たせたスケジュールで家を出発してください。天候がよくても、事故で遅れることもありえます。

また、地方空港からくる人は、「同じ空港内だから」と安心せず、数時間の余裕を持たせたうえで便の予約をおすすめします。飛行機は天候のほかに機材繰りなどのさまざまな理由で遅れることがあります。空港に着いてダッシュして国際線のカウンターへ行くような段取りはおすすめできません。

荷物は空港へ送っておく

重くて大きなスーツケースが行動の妨げになることがあります。特にラッシュの時間に在来線に乗る人は、思い切って荷物を空港に送ってしまうのも検討してみてください。スーツケースがなければかなり身軽に動けます。空港宅配は航空会社のマイルがたまることもあります。

荷物を送る際も、天候などのトラブルに備え、ぎりぎりではなく1日早めくらいの感覚で発送しておくとより安心です。

ついでに帰りの便のことも

母や地方在住の友達は、成田や羽田に着いてからの後泊はしません。代わりに、国際線の到着時刻から十分に時間をとった国内線の便を予約しています。

帰りの国内線は遅い便にする

日本に着いてすぐに急いで国内線のほうへ移動される人を何度も見てきました。国内線の出発時刻を聞いて「なぜそんなにぎりぎりの時間を?」と思うことも多かったです。

ヨーロッパからの国際線は、天候や航空管制などの影響で、遅延が数時間に及ぶこともあります。そのため、予定通りに到着すると見越して国内線を予約してしまうと、乗り継ぎに間に合わず、慌てて便の変更や振り替えが必要になる可能性があります。万が一の遅延も考慮して、国内線への乗り継ぎには十分な余裕を持たせておくことをおすすめします。

空港で過ごす最後の時間

国内線の出発時間に余裕を持たせると、結果として日本の空港で過ごす時間が生まれます。

母と空港で食事をして(だいたいラーメンを食べます)、買い足りなかったお土産を買い足して、それから母を見送る。母はお土産を大事にする人なので、この時間があるかどうかは本人にとって小さい話ではありませんでした。成田や羽田は、海外で買い足りなかったお配り用のお土産を調達する最後の機会でもあります。フランスやイタリアやドイツのものが並んでいるわけではありませんが、空港限定のものがありますし、地方から参加した人にとっては東京土産という選択肢にもなります。

出発の前と到着のあとの過ごし方は、旅程表には出てこない部分です。旅行会社が組んでくれるのは成田や羽田に集合してから解散するまでで、その外側は自分で決めることになります。乗り遅れた経験があるぶん、私はここに費用をかけるほうを選んでいますが、どう過ごすかを考えておくのは、旅を確実にきちんと楽しむためには重要だと考えています。

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